davsさんへの返答(4度目)

「日本軍の強制連行により慰安婦にされた女性がいるけれど、慰安婦が日本軍の暴力によって連行されたという事実を指すものではない、って何を言っているんだ?」
http://d.hatena.ne.jp/davs/20141012/1413112728

いい加減うんざりしてきたが、davsさんへの返答である。

>syachiku1氏は、日本軍が女性を強制連行し、従軍慰安婦にした事例を認めるが、全ての慰安婦が日本軍の暴力によって連行されたわけではない、と言いたいのかも知れない。

白馬事件が事実であるとして、それは白馬事件の証拠でしかない。日本軍慰安婦制度で働いていた女性が強制連行された証拠を示すように求められて、白馬事件の証拠を持ち出しても意味が無いと言っているのである。

>まず驚くのが、「事実誰も裁かれていない。」って、スマラン事件で戦後裁かれた軍人たちは何なのだ。
文字通りスマラン事件で裁かれたのだろう。日本軍慰安婦を設置した事そのものに対して裁かれている訳では無い。

繰り返しになるが、事実として分かっているのは、日本政府が慰安所の設置を命じたという事である。それ自体は犯罪では無いというのが私の主張である。

>これらの条約で未成年の場合は本人の承諾があっても、成人の場合は、詐欺や強制的な手段によって売春に従事させれば罰せられることになっていた。
 また、強制労働に関する条約(第二十九号)に日本は1932年に批准しているが、これは「処罰の脅威の下に強要」させられた労務を廃止することを義務づけたものだ。
 まさか、「犯罪であるという認識は一般的では無かった」行為を禁止する条約に加入することをどんな政府もしないだろう。

確か、年齢に関する部分など一部について日本は留保しているはずだ。そもそもこれらの条約は慰安所の設置そのものを禁止するものでは無いのだから的外れではあるのだが(なら、未成年でない慰安婦は被害者ですらないのか?)・・・。
どちらにしても焦点になるのは、例えば未成年の女性を連行した事例に対し当時の日本政府がどう関与したのかであるが、実際には、それを取り締まる通達を出している位の関与しか明らかになっていない。結局の所これらの「違法行為」に、日本政府がどのように関与しているのか、具体的な証拠を明らかにしなければこれ以上議論のしようが無い。「(通達だけでは)防ぎ切れなかった」という意味(業者の不法行為を防げなかった不作為)で日本政府に落ち度があるという意味合いなのかも知れないが、その場合今現在明らかに「主犯」扱いされている日本の立場は不当であると言わざるを得ない。

従軍慰安婦制度を特徴づける、強制労働と人身売買について、当時は問題なしとされていたのか。
「当時の価値観」でも慰安婦が問題視されていたのであれば、日本の戦争犯罪を裁く場であった東京裁判で訴追されず、追及の声が出始めたのがそれから数十年後である理由を明らかにして頂きたい(特に「アメリカの非難決議」とやらが決議されたのが戦後60年後の2007年であるという事実をどう説明して頂けるのだろうか?)。