小林よしのり氏の的確なネット右翼批判

やっと帰ってこれた・・・。残念ながらガンダムAGEを観る事は出来なかった。

http://d.hatena.ne.jp/syachiku1/20111006/1317912530

先日小林よしのり氏のインタビューについて触れたが、まず訂正しなければならない箇所がある。

先日の日記では、私まるで小林氏の思想が変遷しているような書き方をしているが、大きな間違いだった。インタビューを読む限りにおいて、小林氏は別段変わっていない。ネット右翼が勝手に「変わった」と勘違いしていただけのようだった。確かに上記記事ではネット右翼批判の方が主体になっているようには見受けられるが、左翼に対して歩み寄ったと言う風には思えない。
例えば某政治家の失言として取り上げられた「自衛隊暴力装置」という発言に対し保守層が批判した事については、氏は自衛隊の本質が何かを語った上で保守層の認識の甘さを指摘しているのだが、別に自衛隊を非難している訳では無く、「暴力装置である自衛隊」を肯定しているのであり、左派のようにネガティブな意味での「暴力装置」という言葉を肯定しているのでは無い。

では改めて、氏のインタビューの中で印象に残った点を挙げてみたい。

・フジテレビ批判、よく暇あるな
小林氏の見解は基本的にシンプルである。

 「フジテレビが韓流ドラマばかり流している」←「それがどうした」

実際関係者でも無い立場からすれば、こんな感覚だろう。嫌なら見なければ良い訳で(というよりそれ以外選択肢など無いのだが)、見ていない以上、フジテレビがどれだけ韓流をごり押ししようが関係は無い。そのような立場からすれば、一々テレビ局に抗議しに出かける時間が勿体ないように見えるのは当然である。

この後に更にネット右翼批判を展開しているのだが、

 「君たち年収200万円以下の下層でしょ?っていう。それでいいわけ?(中略)怒らなければいけないのは、違うところにあるんじゃないかっていう。」

この発言に対し、言葉尻しか捉えていないとしか思えないコメンターから「誹謗中傷」といった批判の声が上がっているが「年収200万円以下の下層」というのはただの一般論、たとえ話として受け止めるべきだろう。要するにフジテレビデモなどは、ただの社会に対しての不満の捌け口でしか無いというのが氏の主張の本質であると思われる。

・匿名の空間では本当の戦いはない
この部分を読んで思ったのだが、小林氏はネット右翼を批判しているというより、元よりネット右翼が眼中にも無いようである。実名と素性を公表した上で、他者から批判を受けるリスクを背負って活動している氏からすれば、匿名であるのを良い事に好き勝手な事を書き殴っている者などとは、「議論」するにも値しないという事なのだと思われる。確かに「発言には責任が伴ってこそ意味がある」というのは正論である。実に痛い所を突かれたものだ(笑)。


やはりというべきか、氏のネット右翼批判は極めて的確である。「レイシスト」だの「差別主義者」だの、ただレッテル張りしているだけで自己満足しているような左派とはレベルが違う。一見、日の丸や君が代に敬意を示しているようなネット右翼を指して「ただの(自己を鼓舞する)道具として利用しているだけ」と非難するような論調を展開するのは、「思想良心の自由」などというこじつけの理由を持ち出してまで「日の丸・君が代」を否定している左派では不可能だろう(せいぜい「軍国主義者」などとありきたりなレッテル張りするのが精一杯)。

しばらく氏の著書には触れていなかったが、このインタビューを読んで「国防論」に興味が湧いた。

ゴーマニズム宣言SPECIAL 国防論

ゴーマニズム宣言SPECIAL 国防論