TPPを推進する理由

勿論TPPについて意見を言える程の知識などある訳も無い。
ただ私の実家が漁業を営んでいる関係上、その辺りの感情を踏まえれば反対と言いたい所ではあるのだが、流石に「私の実家が困るのでTPP反対」なんて言っても相手にされないだろう。勿論TPPに反対している農協・漁協をエゴイストなどと非難するつもりは毛頭無い。自分の生計が危ぶまれるのに怒らない人間などいない。ただ実際にそれだけでは賛成派を論破出来ないのも確かであり、やはり専門家による客観的な視点での意見が欲しい所である。

その上で、TPP反対派として知られる京都大学准教授の中野剛志氏の論文は非常に興味深い。第一次産業だけでなく幅広い観点でTPPの問題点を指摘しており、またその説得力も凄いと思ったものである。元々知識の無い私などにはただただ関心する事しか出来ない訳であるが、TPP反対派の代表格と言っても良いのでは無いだろうか。

視点・論点 「TPP参加の是非」」
 http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/99077.html

なお、現政権はTPP参加に積極的のようである。私が気になるのは、政府が本当にメリットをメリットだと考えて行動しているのかという点である。タイミング的にも、極端な円高傾向にある状況下でわざわざ関税撤廃の議論が活発化するのは不自然な気がするのだ。つまり経済的な理由だけでなく、一種の外交的な理由も背景にあるのでないだろうか?勿論ただの推論であるが、かの「プラザ合意」の時のような、アメリカを怒らせたくないと言った消極的な理由があるような気がするのである。何せアメリカには経済的な面は勿論の事、安全保障に関しても大きく依存しているのが現状だ。TPP参加を拒否してアメリカが良い顔をしないのは当然で、有形無形の嫌がらせが来る事を恐れているとは考えられないだろうか?ただし、これはいわゆるアメリ陰謀論を支持する意図などでは無く、日本政府側の心情を推察したものである。

仮にこれが本当の理由だとすれば、デメリットをどれだけ主張しても、残念ながら日本政府の行動は変わらないだろう(私のいい加減な推論が的外れである事を心から願う)。



追記)

投稿した後で見つけたのだが、st43さんもTPPについて語っており、中野剛志氏の主張に対しも極めて丁寧に反論されていた。どちらの見解が正しいとかなどは一切判断出来ないが、何だか私の書いた上記文が物凄くみすぼらしく見えてしまった(笑)。

http://d.hatena.ne.jp/st43/20111027/1319722115

つくづく思うが、本当に良く勉強しているなと尊敬する。