TPPにどう向き合うか

先日の下記記事について

http://d.hatena.ne.jp/syachiku1/20111027/1319726117

とおりすがりさんにコメントを頂いた。

st43さんのブログでも、やはりTPPについての議論が白熱しているようだ(st43さんご自身は不本意のようであるが)。

http://d.hatena.ne.jp/st43/20111027/1319722115

ヤフーニュースのアンケート結果を見る限りでも、現在賛成派と反対派でほぼ二分しているように見受けられる(ネット上のアンケートでこのようにキレイに意見が分かれているのは久しぶりに見かけた気がする)。

反対派は、農業・漁業従事者(当事者)であったり、私のように実家が漁師だったり農家だったりと、TPPによって生活が脅かされる方が中心であろうが、中野剛志氏のように幅広い視野でTPPに反対を表明する専門家もいる。また与党民主党内でも慎重論を唱える議員が多いそうである。

しかし残念ながら、現状では参加する方向に向かっているようである。

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1673194.html

中野氏の仰るように「交渉参加=参加」になるのであれば、やはり日本はTPPに参加する事になるのだろう。

確実に言える事は一つであり、TPP参加後はどれだけ筋の通った反対意見を展開しても意味が無いという事である。今でこそ意見が二分しているような状況だが、参加が決まった時点でこれらは収束する事になると思われる。勿論参加後にその是非について評価が行われるだろうし、その結果如何では野田首相の責任問題にも発展する事だろう。しかし仮に政権交代が実現したとしても、TPPから脱退等と簡単にはいかないと思われる。

今後反対派は、「どのようにして農家を守っていくか」など、「現実問題として直面したTPPとどう向き合うか」を考える必要がある。参加そのものの是非はもう問えない以上、競争激化していく中でどう生き残るかを議論していくしか無いのである。


私なりに考えた例であるのだが、st43さんのブログで以下のようなコメントがあった。

>ご承知の通り今、日米ともグローバル化が進み、現地生産が増えています。
>ですから、輸出額や輸入額で比較することは、低関税の撤廃メリットを計算する程度で、ほとんど意味がありません。

確かに海外に現地法人を設け、生産ライン自体も海外に移転している企業も多い。その場合はTPPの恩恵を受けられないというご意見は正しい。

ただ発想を変えてみると、関税を撤廃する事で国内生産の魅力が増す事になる訳で、今海外にある工場を国内に戻すのは難しくとも、国内の企業に対し海外移転を踏みとどまらせる効果が期待出来るのでは無いだろうか?それはつまり、国内の雇用を守る事に繋がると思うのである。ただ海外移転が加速する背景には円高という問題もある為、そう簡単にはいかないのだろうが、、、

http://fxya.blog129.fc2.com/blog-entry-2384.html


現状はともかく、決まってしまった以上は、賛成派も反対派も関係なくTPPの利点を最大限活かせるように一致団結すべきだと考える。


恐らく、廃業寸前とは言え何とか持ちこたえている私の実家の漁師生活は、TPPによってトドメをさされる事になるのかも知れない。そう考えると、漁師一筋で家庭を支えてきた先代(祖父)に申し訳ない気持ちもある。感情的にTPPは決して好ましいものでは無いのだが、時代には逆らえないという事なのだろう。