こんなだからネット右翼は馬鹿にされる

体調はすこぶる悪いが、一つ気になった記事があった。

「この裁判はめちゃくちゃだ」「警官の家族がいても撃つのか」 "暴れる車に発砲し助手席男性死なせた警官無罪"で、母親が怒り
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1699254.html

この判決が妥当であるかは例によって判断出来ないが、個人的な見解として、いずれにせよ発砲した警察官に刑事罰を負わせるのは行き過ぎだといわざるを得ない。状況をどう見ても、素直に投降するどころか車で遁走し無茶な運転を繰り返した犯人に対して、一方的な被害者として同情するのは難しいのである。

実はこの事件、一部で別の観点で話題になっているようで、上記まとめブログのコメントを読めば分かると思うが、発砲で死亡した男性及びその母親(当裁判の原告)が在日朝鮮人である事がその理由らしい。簡単に言えば、「やっぱり朝鮮人だ」「恥を知る日本人ならこんなふざけた裁判は起こさない」等と在日バッシングを行っていると見て良いようである。

まずこの裁判は、当事者が在日であるから起こしたなどという事実関係を客観的に示せる根拠はない。裁判を起こしたのが結果的に在日朝鮮人だからと言うだけで、在日である事との因果関係は特別見当たらないのである。別にこの母親は勿論、在日朝鮮人を弁護する意図など無い。純粋に関係の無い話だと言っているのである。ろくに根拠も挙げずに「在日だから」などと粗末なレッテル張りをする態度を批判しているのだ。

ふと思い出した事であるが、かなり前に読んだ「マンガ嫌韓流」で、韓国の道路では車が自分勝手にスピードを出して走る為、交通事故が多発していると批判している内容が印象に残った。現在よりもかなり嫌韓感情の強かった当時としても、正直同意できる内容ではなかった。運転マナーの悪い車など、日本国内でも腐る程見かける。日本と韓国で年間の交通事故件数を比較してどういう結果になるのか知らないし興味も無いが、いずれにせよ「韓国は運転マナーが悪い」「日本は運転マナーが良い」なんて杜撰な総括は出来ないし、それ自体本質的に意味が無い。

結局の所、この2つの事例は、ネット右翼が偏見の目で韓国という国を見ているという証拠であると言わざるを得ないのである。一昔程では無いにせよ、依然として反日感情の強い同国に対しては、私もネット右翼の端くれとして負の感情が根強くある事は否定しないが、「運転マナーの差」なんて訳の分からないものを持ち出して韓国を卑下するような連中と一緒にされるのは不本意である。

ネット右翼が思い描く「韓国人」像は、はっきり言って彼ら自身と被る部分が多いような気がする。もしかしたらネット右翼が韓国を憎む感情の根源の一つに、「同族嫌悪」があるのかも知れない(根拠は無いが)。