「脱原発」を達成する為に

「「反原発デモ」をどう見る」
http://seiji.yahoo.co.jp/close_up/1135/

脱原発という考え方そのものはそんなに間違っていない。というより、福島原発の悲惨な事故が起きた後で、原発に対する忌避感を持つのは至って正常な感覚だと思う。

問題は、デモの主張内容である。目的が原発の廃止である事は分かっているが、彼らは「原発を止めろ」以上の事は言っていない。原発を止めろと言われただけで止める事が出来るならとっくにやっている。そんな子供でも言える事を十数万人もの人々がわざわざ集まって叫びまわっても仕方が無いでは無いか。「原発を止めろ」だけでは国は動きようが無いし、何人集まろうが全くの無意味だと思う。

重要なのは、「原発を止める為に何をするのか」いう点である。何も代替エネルギーを考えろなどとまでは言わない。原発を廃止する事によるエネルギー不足に対応する為に、具体的にどのような手を打つのかを主張するべきだと言いたいのである。

一例ではあるが、

「電力逼迫時に計画停電を行え」「電力を使い過ぎる一般市民または法人に対し、是正指示をしろ」「電力を使い過ぎていないかどうか、国民生活を監視しろ」「電気料金を3倍にしても良いから、(火力発電所の増設等で)電力を確保しろ」

国に対して原発廃止を訴えるのであれば、この位具体的に主張すべきである。正直これらの措置はいずれも国民や企業にとっては不利益であるが、原発を廃止するという目的を達成する為には我々国民が何らかの不利益を被るのは避けられない事である。ましてや反原発デモ参加者ならば、この程度の不利益を被る覚悟は当然あるはずだ。


脱原発という考え方そのものに反対するつもりは無い。しかし「原発止めろ」とだけ叫び続け、意味も無く歌ったり太鼓を叩いたり踊ったりして無駄に騒音を撒き散らしている今のデモのやり方では、絶対に目的は達成出来ない。脱原発を実現する為に重要なのは、「原発を止めるという意思表示をする事」では無く「原発を止める為に何をすべきかを表明する事」である。