不思議では無く滑稽なだけ

「別に不思議がることじゃないでしょうに」
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20130821/1377104812

こんな酷い論法は久しぶりに見た。

そもそも東條が政治家として意思決定に深く関わったのは、日米開戦である。それから30年も前の日韓併合になど全く関与していない。

大体「A級戦犯」というのは、東京裁判で裁かれた被告の事を指す。東京裁判の管轄権の範囲は検察側の主張を採用しても1928年以降であり、1910年の日韓併合など争点になっていない。要するに「A級戦犯」と言う肩書きと日韓併合には何の関係も無いのだ。

>朝鮮を植民地支配し、朝鮮人を「奴隷状態」にしていた責任者の一人がA級戦犯東条英機である以上、韓国が靖国問題に文句を言う理路は別に不思議でもなんでもありません。

要するに、韓国併合期間内に責任者(政治家)であったから文句を言われるのが当然なのだと言っているのだろうか?そんな理屈がまかり通るのなら、「A級戦犯」以外にも該当する責任者はいるはずで、その者達も非難の対象になるはずだ。「A級戦犯がいるから駄目」などという主張が根底から覆るでは無いか。

韓国の靖国問題への批判の内容がどれだけいい加減で馬鹿げたものであるかを良く示している。嫌韓バカを詰る前に、このような反日バカを非難して然るべきだろう。


しかし、カイロ宣言は中々興味深い。

>前記三大国ハ朝鮮ノ人民ノ奴隷状態ニ留意シ軈テ朝鮮ヲ自由且独立ノモノタラシムルノ決意ヲ有ス

カイロ宣言に関わった国とされるイギリスは、1905年の第二次日英同盟締結時に、「イギリスのインド植民地支配を日本が尊重する」代わりに「日本の朝鮮植民地支配を尊重する」という約束事を交わしている。要するにイギリスが日本の朝鮮支配にお墨付きを与えた事になる。1943年の時点でまだインドを支配していた状態のイギリスがどの面を下げてこんな宣言を出せるのかと言う話だ。