17年前の悪夢再び?


いよいよ消費税が8%に上がる。


我々一般家庭の支出増は避けられないのでそれはそれで打撃ではあるが、流石に消費税を3%上げたから生活が破綻するとまでは行かないだろう。私見ではあるがそれくらいは許容出来る。

心配なのは、個人消費が大きく落ち込み、企業収益が急速に悪化、リストラや就職難が続発し更に消費が冷え込むと言ったデフレスパイラルに陥らないかと言う事である。1997年の二の舞になる事だけは本当に避けたい所だ。当時の就職氷河期を肌で感じている身としては、あの時期の「閉塞感」がまた社会に蔓延する光景を見たくない。

しかし最近、用事でデパートや家電量販店に行くと、「増税前に買った方が得」「今のうちにどうぞ」などと言った販促が満載で辟易した。17年前から何も学んでいないのではないか?
確かに今は駆け込み需要で消費が活発だ。しかしこの消費は特需でも何でも無くただの「先食い」である。今買えば買う程、後の消費が苦しくなるのは目に見えている。17年前、その後の日本経済がどのような道を辿ったのか知らないはずも無いのに、同じ事を繰り返しているようにしか見えない。
そりゃ増税前に買えるだけ買っておこうと消費者心理が動くのは当然だし、それはそれで否定しない。しかし売り手側がそれを積極的に煽ってどうするのか?むしろ増税前と増税後で顧客の負担が大きく変わらないように(もしくはそれを余り意識しないで済むように)するなどの企業努力で、売り上げを平準化させるように努めるべきでは無いのか?あれでは、自分で自分の首を絞めているようにしか見えない。

消費者(の働き手)の給与がその分上がれば良いが、実際にその動きがあるのは一部の大企業だけで、中小企業まで波及しているようには見えない(事実私は、入社して10数年間ベースアップなんてものを経験した事がないし、その予定があるなんて話も聞いていない)。つまり、どうあっても一般家庭の実質的な負担増は避けられない訳だ。それならば、(言葉は悪いが)消費者の目をごまかし、なるべく消費者に負担増を実感させずに済むかという事を念頭において対策を取るべきだと思う。

勿論日本政府にも、必要に応じて財政出動などの対応を望みたい所ではあるが、やり過ぎるとそれはそれで本末転倒になる気もする(なら最初から消費税なんて上げなきゃ良いじゃないかという話になる)。


いずれにせよ4月から消費税が上がる。その後の日本経済がどう動くのか注視しなければならないだろう。正直、いやな予感がする事を否定出来ないが・・・。