ネット右翼が韓国の何を嫌っているか
「(ネトウヨのための)韓国経済の「今」」
http://d.hatena.ne.jp/st43/20111126/1322282245
st43さんの仰る通り、韓国の経済事情は日本に似ており、しかも日本と似たような社会不安を抱いているという事は事実だろう。
ただ、ネット右翼の嫌韓感情の発露は、別に日韓の経済摩擦が原因という訳では無い。確かに中には韓国の急速な経済成長を妬んでいるネット右翼がいるのかも知れないが(st43さんの仰る通り的外れな見解だが)、その大半は韓国の経済事情などに大した関心は無いだろう。
勿論日本のネット右翼はどのような分野であれ、韓国にとっての不幸を最大限の喜びとするきらいがある。いわゆる「嫌韓ネタ」になりそうな記事なら嬉々として飛びつくのがこの連中である。ただネット右翼の韓国に対しての知識は、得てして生半可と言うか、ろくに掘り下げもせずに批判しているものが大半な気がする。断言しても良いが、ネット右翼は韓国の事をせいぜい「反日国家」程度にしか認識していないのである。経済がどれだけ強いのかとか一切関係は無い。韓国をきちんと理解した上で批判しているようなネット右翼はほとんど見た事が無い。
st43さんはネット右翼に目を覚ませと仰っているが、大半のネット右翼には通用しないだろう。st43さんの告げた事実を「嫌韓ネタ」に利用して叩く位が関の山だと思われる。
またst43さんの仰る通り、日本と韓国はある意味似たもの同士であり、お互いが感じている「痛み」を分かりあえる立場にはあると思われる。一種の連帯感を持つ事も可能なのかも知れないが、現状の(国民ベースでの)日韓関係を見る限り、とてもそんな事が可能な状況であるとは思えない。日本の場合、ネット右翼を中心に嫌韓感情が蔓延しているとは言え、それが政府の外交に影響している訳でも無ければ、全体に浸透している訳では無い。問題なのは韓国である。
韓国では「反日」に繋がる行為なら基本的に賞賛される。上記の「親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」のように、親日派の吊るし上げにしか見えないような法律であっても韓国国民の8割近くが支持しているのである。対日本に限れば、同国に言論の自由など無い。親日的な発言をする事はおろか、親日的と「見なされるだけ」の発言であっても迫害の対象となるのだ(※)(しかも戦時中の日本を「言論の自由が無い暗黒の時代」と批判する日本の左派は、何故か韓国で同様の現象が起きていても批判しないばかりか、右派がそれを叩けば何と韓国の擁護までしようとするのだから始末に負えない)。
※ http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0915&f=entertainment_0915_030.shtml
st43さんは「「本当の敵」は韓国ではない。」と言うが、繰り返しになるが経済事情の類似性を指摘するだけではネット右翼には届かない。ネット右翼にとっては「反日国家」である韓国こそが敵なのである。st43さんが考えるよりも、ネット右翼はもっと単純なのだ。そしてややこしい事に、韓国が紛れもない反日国家である事が、ネット右翼の論拠を補強している格好になっているのである(ネット右翼が思い描く「韓国」が妄想の産物と言い切る事が出来ればベストなのだが、中途半端に的を射ている事自体は否定出来ないのだ)。