慰安婦問題の論点(数に拘るのは「右派」だからか?)

タイトルの通りだが、非常に分かりづらい。

 ・慰安所の設置そのものが問題なのか?
 ・慰安婦を日本軍が強制連行した事が問題なのか?
 ・慰安婦の待遇が問題なのか?

この内のどれかだとは思うのだが、この部分は追及する側の左派がコロコロ論点を代えている為、それを迎え撃つ右派と議論が噛み合わず、極めて不毛な泥仕合になるケースが多いように思える。

従軍慰安婦問題をフェルミ推定で解くことはできない」
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20111215/1323978567

上記記事では、「慰安婦の数」の算出の仕方が議論の対象となっている。歴史研究の範疇においてそのような議論が活発化する事についてはどうとも思わないのだが、コメント欄でのRawan60さんの意見が印象に残った。

『まあ、

>「さたに拉致、誘拐のような犯罪性が非常に高い方法で集められたのが何人なのか。少なくとそれが20万人と言うのは誇張以外の何物でもないだろう」

と、どこの誰が言っているのか不明な(とんでもない歴史修正主義者が否定論を展開するための言いがかりとしか思えない)話を持ち出しているところとか、「つまり慰安婦の実数はさらに少ない可能性もあります」と、少ない可能性だけを主張して、最大側の見積もりだけを切り捨てているところなんかからしても、意図がミエミエですわな。』

要するに馬場正博さんが「歴史修正主義者」(またこの表現か(苦笑))で、慰安婦の数を少なく見積もる事で日本軍の罪を軽減しようとしている意図があると看破されているようである。

勿論馬場正博さんが特定のイデオロギーに染まっていて、慰安婦問題の研究にそれを持ち出しているのかは分からないが、仮にRawan60さんの見解が正しいとすれば、慰安婦の数が多いのは「歴史修正主義者」にとって都合の悪い事実であるという事になる。果たしてそうだろうか?右派の言い分としては、「慰安所の設置は(当時)違法では無かったし、日本軍が嫌がる女性を無理矢理強制連行して働かせた事実も無い」というのが主流である。慰安所及び慰安婦の存在そのものが論点になっている訳では無い。「慰安婦制度が違法では無い」という主張を崩されない限り、慰安婦が何万人いようが特に困る話ではない。極端な話慰安婦が20万人いようが30万人いようが、右派からすればそれらはすべて「合法的な売春婦」であるのだから、それを元に旧日本軍の立場を悪くすると考える必要も無いのだ。

元のブログを読ませて頂いた限りでも、私の見解としては、馬場正博さんは(少なくとも慰安婦問題に限り)純粋な歴史研究家であると思う。主張されている内容が正しいかどうかなどは分からないが、少なくとも「日本が悪くない」事だけを証明すれば良い立場の右派であれば、慰安婦の数が何人だろうが構わないし、拘る理由が無いからだ。Rawan60さんの指摘は、安易なレッテル張りの域を出ていないと言わざるを得ない。