流石に無理がありすぎる

光市母子殺害事件の死刑確定判決に関連する加害者報道の備忘録」
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20120221/1329772134

hokke-ookamiさんが死刑制度廃止の立場に立つ事自体は結構だし、(個人的に死刑制度が妥当か等については別段意見を持っていないのだが)主張内容も中々しっかりしているとは思う。

ただこの記事では、何故か川村たかし名古屋市長の「南京事件がなかった」という発言を取り上げて、(光市母子殺害事件と相対的に)それを断罪しない社会が矛盾しているという論調になっている。

だが、いくらなんでもこじつけが酷すぎる。

光市母子殺害事件の犯人の行為は殺人罪であり、明確な犯罪である(死刑が妥当であるかは別としても)。しかし川村市長のケースは、発言が不適切であるか否かであり、それを犯罪とまで言える訳も無いし、まして殺人罪と同様に扱える次元の話題などではない。前提が違い過ぎる。

光市母子殺害事件の犯人の死刑が妥当だと言うなら、川村市長の発言も辞職に値する罪では無いか」などと相対的に扱うのは無理がありすぎるといわざるを得ないのだ。

いくらhokke-ookamiさんでも「南京事件を疑う事自体が罪」だなどとは言わないだろう。時と場所を選ばずに空気の読めない発言をしたと市長を非難する事は可能だろうが、それを殺人事件の量刑と同列に扱える道理などあるはずがない。