竹島問題(国際法の限界)

「20代ニート竹島問題を淡々と教えてやるスレ」
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1331969501/l50

id:rekihiko2さんが2chに挙げた記事である。興味深く読ませて頂いた。

竹島問題について、例によって私は詳しくない。せいぜい日本政府の公式見解通り、日本人としては、日本固有の領土であると認識しておく必要があるという程度である。

まあ実際、国際法を厳格に適用する限りにおいて、日本側の主張に分があるとは見て良いとは思う。ただし、rekihiko2さんは掲示板の中で、実際に武力制圧でスエズ運河を領有したエジプトの例を持って、韓国の主張が100%間違っており、不法占拠とまでは言えないと言っている。一理あると思う。国際法上どうであれ、竹島は韓国が実効支配している為、どれだけ日本が法的根拠を理由に領有権を主張しても、韓国は気にする必要が無い。国際法には具体的に韓国を拘束する力がないのだ国際法の弱点は、それを執行する機関を持たないという点である。極端な話、日本政府が本腰を入れてこの問題を解決しようとする場合、武力を用いて竹島を取り戻す以外に手段が存在しないのである(無論言うまでも無いが、今の日本がそんな選択肢を取れる訳も無い)。言い方を変えるならば、日本は竹島を韓国から取り返す法的根拠があるというよりも、その目的を達する為に武力行使する法的根拠を持っているだけと言った方がより正確だろう。


ところで、以前下記の記事に対してコメント頂いた金李朴さんが、以下のような事を書いているのを思い出した。

「何が問題なのか」
http://d.hatena.ne.jp/syachiku1/20111113/1321153688

>私自身は、竹島(独島)は韓国固有の領土でも、日本固有の領土でもないと思っています。だからこそ、これだけ揉めており、アメリカも中立的立場から踏み出せないのでしょう。一方、北方領土尖閣諸島は日本固有と考えます。日本の極右は竹島ではなく、まず国後上陸を目指すべきでしょう。

竹島は韓国の領土でも日本の領土でも無い」と言っているあたり、日韓関係に関して中立的な立場である方なのでは無いかと感じる方がいるかも知れない。

まず金李朴さんの主張を箇条書きにしてみたい。
 ・竹島は、日本と韓国どちらの領土でもない
 ・北方領土は、日本固有の領土である
 ・尖閣諸島は、日本固有の領土である

この3つの領土は、いずれも日本が領有権を主張しているという点が共通点として挙げられる。

金李朴さんは北方領土尖閣諸島に関しては日本政府の主張を全面的に認めていると思われるが、竹島だけはそれに反した主張をしている(勿論韓国政府の主張とも一致しないが)。問題なのは、金李朴さんが上記のコメントについて、一切根拠を示していないという事だ。竹島問題だけの話では無い。少なくとも「北方領土尖閣諸島が日本固有で、竹島だけがそれに類しない」と言う主張が成立する根拠(※)を示さなければ、余りにも無責任であると言わざるを得ないのだ。

※例を挙げるならば、仮に「実効支配を最大の根拠」とする立場を取る場合は、以下のような認識になると思われる。
 ・竹島は、韓国の領土である
 ・北方領土は、ロシアの領土である
 ・尖閣諸島は、日本の領土である

以下は単なる想像になるが、

竹島は本音では韓国の領土だと言いたいが、まあ間を取ってどっちの国の島でもありませんよ位にトーンダウンしておこう。後の2つは正直どうでも良いが、北方領土尖閣諸島は日本固有の領土ですよとでも言っておけば、何だかバランスの取れた言い方に見えるし良いだろう」

金李朴さんは上記のコメントを書いた際、この程度の認識でしか無かったと思っている。全く根拠を示していない為、こう類推するしかないというのが正直なところだ。別に非難するつもりは無い。ただ断言出来るのは、金李朴さんと領土問題について議論しても、有益なものには絶対にならないという事である。私が金李朴さんとの議論を有意義に感じていない理由の一つである。