「不正」か「不作為」か

ここの所全く記事が書けていない・・・。体調を崩し、文章を書く気力が無い。

河本準一、涙の謝罪 「むちゃくちゃ甘い考えだった」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1714080.html

最近、生活保護を家族に不正受給させたとして問題視されている芸人の河本準一氏の話題で持ちきりのようだ。ネットサーフを余りしていなかった為余り詳しく時系列を追ってはいなかったが、確かに本当に必要としている人が受けられず、生活保護に頼らずとも生活出来る人が貰っているというのは本末転倒である。

しかし河本氏に対するネット上での叩きぶりは少々常軌を逸しているのでは無いか?まず河本氏に「不正受給という認識があった」のかなどの明確な悪意があったかどうかを考えてみるべきだと思う。

何となくだが、数年前に起きた議員の「厚生年金未納問題」を思い出した。これを「不祥事」などと当時のメディアや野党(後に自爆するが)が叩きまくっていたのが印象に残ったが、それらは不正を犯したというよりも、手続きの不備という見方の方が正しいのでは無いかと思っている。

河本氏は年収5千万円との事である。少なくとも一般家庭のサラリーマンの年収などとは比較にならない高額な収入である事は疑いようも無い。逆に言えば、この年収なら生活保護など無くても何不自由無く家族を養える事を意味しており、わざわざ「不正受給」などする必要は無かったと言えるだろう(申請した時点での年収は低かったそうである)。要するに、河本氏には特に悪意を持って不正受給を行っていたという認識は無かったのでは無いかと推測しているのである(勿論ただの推測であり、当人やその家族がどう認識しているのかなどは知らない)。前述した年金未納問題と同じで、「不正」というよりも当人の認識不足が原因では無いだろうか?勿論これはこれで反省すべき点だろうが、会見で謝罪し、貰った分を返済すると言っている以上、少なくとも氏に対する追及はこれ以上必要ないような気がしているのだ。

結論として、当件について河本氏に「故意」や「悪意」があったのかとどうかについては懐疑的である。「不作為」である事は否定しないが、「不正」とまでは言えないのでは無いだろうか?

この件とは直接関係は無いが、生活保護のあり方については色々議論がある。ただでさえ生活保護受給者が急増して財政を圧迫しており、しかも生活保護受給者よりも厳しい生活を強いられている現役世代が多いなど、近年制度のあり方から見直すべきだと言う意見が多く見受けられている事も事実である。最悪な事態を想定するとモラルハザードを起こしかねない為、制度の改善や見直しは必要だと言う意見に異論は無い。しかしセーフティネットとしての生活保護制度は必要であるという前提の下、制度が変わった事を原因とした餓死者が出るなどと言った事態は避けなければならない。

私個人としては、生活保護者への支給額を抑えるというよりも、必要最低限である生活費すら保てずに苦しんでいる、ワープアの若者からまず何とかして欲しいと思っているのだが、、、