リハビリ記事


久しぶりの更新である。リハビリがてら記事を書く事にする。

「どうしてヒトラーの墓と靖国神社を同等視してはならないのか」
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20131228/1388239487

靖国神社ヒトラーの墓と同等視したとか言うタレントについては、別段興味は無い。

ただhokke-ookamiさんの靖国神社観、というより日本史観は相容れない部分があるので、いくつか反論させて頂こうと言う話である。

>いうなれば靖国とは、国家に犠牲をしいられた人々へ「貴様の死を通じて人間的に成長してやる」*3という言葉をかけるための施設だ。
良くこんな曲解が出来るものだ。

靖国神社は戦前日本がおこなった加害の歴史へ真摯に向きあっているといえるだろうか。戦前日本を美化したり、さまざなま戦争犯罪から目をそむけたり、戦争の責任を転化したりしていないだろうか。
「加害の歴史」という一部の国民の主観まみれの道徳観に、靖国神社が向き合ってどうこうする必要は無い。「戦争の責任を転嫁」というのも曖昧だ。戦争責任とは具体的に何を指すのか、そしてそれを誰に責任転嫁しているというのか?

>日本の謀略で始まった侵略を他人事のように「満州事変が勃発しました」*4と記述
他人事というより歴史的事実に基づく記載しか出来なかったのだろう。満州事変は日本の謀略で始まった侵略などというような単純な出来事では無い。

中国での内乱(国民党と共産党)により情勢が不安定となった。実際に満州で数々のテロ事件が発生しており(中国兵による中村震太郎大尉らの惨殺事件など)、満州にある日本の特殊権益が脅かされる中で、危機感を覚えた関東軍が独断で起こした事件である。法学者チェニー・ハイドによれば、「長期にわたって外国人の生命財産の安全を維持出来ない無能力な国は、その被害国である隣国が侵入し、占領しても正当化される」との事である。どちらにせよ、内戦にあけくれて満州在住の日本人もテロで被害に合うような事態にまで状況を悪化させた国民政府にも責任が無いとは言えず、中国側だけが安易に被害者面出来るような事件では無い。

>そもそも戦前日本はナチスドイツと同盟を結んで戦争をおこなっていたし、ヒトラーを歓迎していた。
同盟というのは、必ずしもイデオロギーによって立脚するものでは無い。チャーチルの「ファシズム(ドイツ)を倒すためならたとえ”悪魔(ソ連)”とでも手を結ぶ」という言葉が良く表しているが、パワーポリティクスに支配された世界ではありふれた同盟の形である。日本が三国同盟を組んだのは、あくまでも自国の安全保障の為でありイデオロギーは関係ない。「同盟」を組んでいたからという理由だけで、後の世においてまでナチスドイツと同等視するのは乱暴な見方だろう。