徴兵制は、合理性よりも覚悟の問題(私見)

「徴兵制って別に軍事的合理性がないわけじゃないと思いますが。」
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20140213/1392221589

本当にたまにいい記事を書くのは驚きである。実に客観的だと思う。

しかしブックマークの半数以上は否定的な意見が占めていて、中には、一言もそんな事言っていないのに、「徴兵制賛成論者だ」などとブックマークコメントで書かれているような的外れなものもある。

この記事の趣旨は、「徴兵制に軍事的合理性が無い」という意見をいくつか具体例を用いて否定しているというもので、徴兵制の意義を積極的に認めている訳ではない。その証拠に、人権問題的見地から徴兵制を批判する余地がある事にも言及している。

ちなみにどう言い繕っても、徴兵制が対象者の様々な自由を制約する事は否定出来ず、人権問題として批判される側面は仕方ないとは思う。右派としては、「人権を守る国が倒れたら元も子もない」とか言い返せない事も無いが、何だか本末転倒な話になってしまう気がする。

徴兵制が必要になるかは、当然ながら情勢によるだろう。現在の日本も軍事的脅威にさらされていない訳でもないが、全くの素人を引っ張り出してまで兵士にしなければならないような人員不足に陥っているという状況ではない為、いまいち実感が湧かないというのが現状である。

結局の所徴兵制度というのは、志願兵だけではどうしても人手が足りず、一般の国民を徴集しなければならないような状態で、我々がそれに応じる事が出来るかという覚悟の問題だと思っている(勿論覚悟があろうがなかろうが、徴兵である以上は行かなければならないのだが)。「軍事的合理性」を持ち出して徴兵制を否定するというのは、徴兵されたくない人の逃げ口上と思われても仕方ないだろう。そう言う議論をするなら、まず最初に「勿論いざとなったら私も戦う覚悟があります」とでも言った上で無ければ説得力を持たない。もしくは、左派と同じように人権問題的見地から徴兵制に反対する位しかないと思われる。

無いに越した事は無いが、私にも、いつか召集令状が届くような事態が到来する可能性がある事を覚悟しておく必要があるだろう(保守(ネット右翼だが)を自称する立場として)。