合法だから正しいなんて誰も言っていない

2年前の記事に対し、rekihiko222さんよりトラックバック記事を頂いた。

「日本はパリ不戦条約や九ヶ国条約を破った」
http://taimen.hatenablog.com/entry/2014/02/25/120623

ただ、内容的にはこれまで議論した内容と差の無いもので、反論する意義を感じなかった。

時間が少し空いた事もあるので、もう一点反論する事にする。

>パール判事は韓国併合について「合法で有効」だという。
 http://d.hatena.ne.jp/syachiku1/20120902/1346566156
 韓国併合にいたる一連の条約は、当時から韓国人たちによって、「強制的だから無効、違法」と主張されてきた。しかしそれがアメリカやイギリス、ロシアなどの列強諸国に承認されたことを持って、合法だとする見解が強い。逆にパール判事はなぜここで議論を避け、合法だと認定しているのか。

韓国併合が武力を背景に結ばれた条約である事を否定はしないし、当時の韓国人の中にも反感を持つ物は一定数いた事は事実である。しかし当時はそれを違法だとする法的根拠は存在しなかった(強制的に結ばれた条約が無効だなどという法律は、1910年当時存在していない)。「違法」ではないから韓国併合は「合法で有効」なのである。しかし道義的にもそれが正当なものだなんてパール判事は勿論、私だって言っていない。rekihikoさんは結局感情的に韓国人への後ろめたさから、違法だと思いたいだけなのだろう(大体、「強制的だから無効、違法」と主張するだけで自国の安全が保障されるのであれば、日本もわざわざ鎖国を解いて帝国主義国家になる必要も無かっただろう。当時の国際社会がそんなに甘くない事を(福澤諭吉らが)知っていたからこそ、明治維新が成ったのである)。

「合法=正しい」なんて誰も言っていない。パール判事は裁判官である。韓国併合を違法とする法的根拠は実際存在しなかったのだから、合法である以上の事は言えない。これも何度説明したか分からないが、rekihikoさんは全く理解していない。「内実は強制的なもので悪い事なんだから、合法だと認定するのはおかしい」などと見当外れも甚だしい主張を繰り返すのは、「法」と「道徳」の違いを理解していない故のものである。

rekihikoさんは間違いなくパール意見書に触れていない。今後も触れる事も無いだろうし、読んだ所で先入観が強すぎて理解出来ないだろう。ここまで印象を悪くした原因の一つとして、私のようなネット右翼が賞賛している事もあるのかも知れない。そう思うと、パール判事に申し訳なくも思う。