猶予はない

北朝鮮が拉致を認めた日朝首脳会談から、もう12年経ったとの事だ。

それまで一環して否定していた北朝鮮が初めて事実であると認め、しかもその後本当に拉致被害者が帰国した事で拉致事件は決定的な証拠となった。日本の世論は完全に反北朝鮮に転換し、日本国内で拉致を否定していた政党や団体は大打撃を受けた事が記憶に新しい。

北朝鮮はそれ以降、拉致問題について極めて消極的な態度を取り続けたが、最近になって再調査を約束した。未だ北朝鮮に取り残されている拉致被害者達が戻って来られるかに注目したい。

拉致された方々はどの方も気の毒ではあるが、中でも悲惨なのが横田めぐみさんだろう。拉致された当時はまだ13歳であり、長年に渡り必死に捜してこられたご両親の心痛も察するに余りあるというものだ。

そもそも、13歳の少女を何のために連れ去ったのかも疑問ではあるが、偽の遺骨まで用意してまで彼女が死亡したとしたがる意図もさっぱり分からない。どちらにせよ、北朝鮮が主張する「1994年にめぐみさんが自殺した」という見解の信憑性が非常に低い事は確かである。「再調査」により、今度こそ事実を明らかにするように、日本政府は強く求めて欲しいものだ。

帰国を待ち望んでいる家族の方々の中には、高齢であったり、再開を果たす事無く亡くなった方もいると聞く。もはや一刻の猶予も残されていない。