慰安婦問題の議論は定義を明確にした上で行う必要がある

慰安婦問題について語ろうと思ったのだが、考えがまとまらななかった。以下は思考の整理をしている最中にだらだらと書き連ねただけの駄文である。予めご承知おきの上ご覧頂きたい。

強制連行の定義)
まず改めて、強制連行の定義をはっきりさせたい。
嫌がる女性を家族の同意も無く無理やりトラックに乗せて連れ去ったというような内容なら間違いなく強制連行である。しかし本人が嫌がったとして家族が売り渡し、その上で(業者が)女性を連れて行ったという内容であれば、それは強制連行とは言えない。契約としては成立しているからだ。本人にとっては不本意であろうが、その場合に女性が恨むべきなのは売り渡した家族である。家庭環境などの経済的理由から、本人の意思とは関係なく慰安婦となった不幸な女性もいた事だろうが、それだけでは「日本の慰安婦」だけを槍玉に挙げる根拠にはならない。そのような不幸な事例は当時世界中にあふれていたし、現在でも全くないとは言えない。

日本の慰安婦制度の問題)
では何故日本軍の慰安婦問題だけがここまでクローズアップされているのだろうか?国が関与していた?それがどうした。慰安婦からすれば、雇い主が国であろうが企業であろうが関係ない。ちなみに「関与」というのは具体的に何か?慰安婦の設置?慰安婦の移送?この程度の「関与」で犯罪者扱いされてはたまったものでは無い。国が強制連行を行ったのであればそれは大事だ。是非その証拠を示して頂きたい。「白馬事件」?それなら戦時中既にに当事者が裁かれている。第一それは白馬事件に関する個別の証拠であり、日本軍慰安婦という制度の上で強制連行があった証拠にはならない。


定義をはっきりさせた上で議論する必要性)

慰安婦問題というのは非常に歪である。とにかく日本を犯罪者扱いしたいが為に苦しいレトリックを多用した結果、もはや慰安婦問題は定義化する事すら困難になってしまっているのが現状だ。

日本政府が今後、慰安婦問題を真剣に議論するのであれば、前提や定義をしっかりと取り決める必要がある(「広義の強制連行」「国の関与」などと言う曖昧な定義を持ち込んで議論していてはキリが無い)。その上で、日本に非があり、慰安婦に対し謝罪や賠償の必要があると判断するのであれば問題は無い。定義を曖昧にしたまま、外交上の都合を優先させるだけのために謝罪するようでは話にならない(河野談話がその良い例だ)。