「広義の強制連行」とは?


御嶽山噴火で被害にあわれた方々にお見舞いを申しあげます。


慰安婦問題の「広義の強制連行」というのが何なのかを理解する上で、分かりやすい記事を見つけたので引用しよう(id:Apemanさんの記事より)。


慰安婦」問題否認論者に欠けているのは「自由意志」についての常識的な洞察
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20140927/p1

総じて、意に反する労働を強いられた慰安婦が不憫であると言う点には同意するが、「日本政府の犯罪」と言えるようなものでは無い。根底にあるのは当人の家庭の事情だろう。極端な話「日本軍慰安婦制度」があろうが無かろうが、その女性の境遇はそんなに変わらなかったと思われる(何らかの身売りを強要されたであろう事は想像に難くない)。

>こうした事情を背景とした「署名捺印」を「自由意志」によるものだとみなすかどうか、というのが日本軍「慰安所」制度をめぐる争いの重要な争点の1つであるわけです
そもそもこの問題の争点が「自由意志であったか否か」なんて誰が決めたのか?実態として自由意志とは言えない事を仮に証明(というより、そんな内面的なものを客観的に証明出来るのだろうか)しても、それだけでは日本政府の犯罪にはならない。日本政府が署名捺印を特に意思を入れて強要したというならまだしも、女性が署名捺印をせざるを得なかったのは、自身の家庭の事情があったからに他ならないからだ(自分でそのように書いているでは無いか)。

ポストセブンの記事へのコメントの中にあったものであるが、
>国家が人身売買システムを「制度化」して公式に利用することのグロテスクさに気づかないわけです。

以前にも書いたが、人身売買される女性にとってシステムの元締めが企業であろうが国であろうが関係は無い。国が設置した慰安所の方が民間企業の設置した慰安所より悪質であるなんて話も特段聞かない。国家として慰安婦を設置していなかったとしても、現地での慰安所の利用を黙認していた他国と比較して日本政府が特別悪質であるというのかという理由も良くわからない(現地女性にとってどう違うというのか)。結局、慰安婦に同情する振りをして、日本を叩きたいが為に無理に日本軍慰安婦制度を差別化しようとしているだけにしか見えないのだ。ただ「日本だけが悪い」と言いたいだけだろう。


これが「広義の強制連行」である。こんな回りくどい「強制連行」で日本政府を犯罪者扱いされてもたまったものでは無い。「広義の強制連行」「強制性」「国の関与」などと、定義を勝手に拡大して論点を曖昧にする手法に騙されてはならない。

もはや慰安婦問題は、当の慰安婦を置いてけぼりにして勝手に論理が飛躍しているように見える。皮肉な話だ。