「年下の上司」と「年上の部下」

「年下の上司がタメ口きいてクソむかつく」
http://hamusoku.com/archives/8325501.html

この記事を見て、以前紹介したA氏を思い浮かべてしまった。

「「会社員」として肝に銘じておくべきこと(私見)」
http://d.hatena.ne.jp/syachiku1/20140315/1394892857

A氏の直属の上司(以下B氏)は、A氏よりも一回り位年下なのであるが、A氏がなかなか言う事を聞かず、苦労しているという話を良く聞く。

A氏はとにかく周囲の社員や取引先とトラブルを起こしやすく、上司のB氏に苦情が入る事が多々ある。その度にA氏に注意をするのだが、当のA氏は自分の非を認めずに相手が悪いの一点張りで、反省もしなければ態度を改める事も無い。

A氏は一応B氏に対しては敬語で接してはいるが、どちらかといえば慇懃無礼に見える。どうやら管理職に抜擢されたB氏に対しての嫉妬心のようなものも芽生えているようだ。B氏も(直接聞いた訳では無いが)A氏に対しては相当の苛立ちを覚えているようで、二人の仲はかなり険悪である(もっともA氏の場合、関係が険悪なのはB氏だけでなく大勢いるが)。

ちなみにA氏にとってB氏は一回り年下でも、私にとってB氏は一回り年上である。私も30代中盤の中堅社員であるとは言え、今の所自分よりも年下の社員が上司になった事が無いので、「年下の上司を持つ部下の苦労」も、「年上の部下を持つ上司の苦労」も良くは分からないが、こういう逆転現象は、一昔前の日本企業では余り見られなかったと思われるが、確かに最近は多くなっているようだ。

ただ私が知る限り、その中で露骨に関係が悪化しているケースはA氏とB氏くらいである。管理職では無いとは言え、高い専門知識や技術を保持している先輩社員に対しては、直属の上司であっても敬意を持って接しているし、先輩社員も変に上から目線でそれに応対したりせず、上司として敬って接しているのが良く分かる。A氏の場合、当人にそのような専門知識など皆無である事が問題なのかも知れない。B氏とは仕事でご一緒させて頂いた事があるが(B氏が管理職になったのはここ1〜2年の話である)、高い知識や技術を有する非常に頼りになる方で、私自身何度も助けられた経験がある。勿論上層部からの信頼も厚く、管理職として抜擢された事に異論を唱える社員は誰一人としていなかった(ある意味A氏とは間逆の評価を受けていると言って良い)。B氏は別にA氏に失礼な態度を取っている訳では無いが(勿論敬語で接している)、能力的に何ら自分に勝るものの無いA氏に対して、何らかの嘲りのような感情はあるのかも知れない(A氏が謙虚ならともかくあの性格だし)。A氏がそれを感じ取っているからあのように反発しているように見えなくも無いのである。

最近は、この2人の関係が決定的に悪化、決裂してA氏の居場所がなくなるのではないかと心配している。その時の状況にもよるが、A氏の立場が弱いのは明白で、周囲の社員は勿論上層部もA氏の肩を持つとは到底思えない。しかしこの職場内で、A氏の居場所は今のオペレータ(のような仕事)以外にはもうない。別の職場に異動すると行っても、社内でも悪名高いA氏を受け入れる職場があるのかは甚だ疑問である。最悪、後数年で定年退職と言う所で会社を去るという悲しい事態を招く恐れがあるのである。A氏がそれに気づいてくれさえすれば、少しは態度を改めてくれるのかも知れないが・・・。


しかしつくづく、「相手の立場を尊重する事の大切さ」を学ばされる。